今回はこのような悩みを解決していきます。
この記事の内容
・リスティング広告の適切な目標CPAの決め方
・目標CPAから適正予算の設定方法
リスティング広告は適切な目標CPAを決めることによって必要な予算を決めることができます。
この記事を読むことで、あなたが担当するアカウントの適正なCPAの決め方が分かり、適切な広告予算を設定することができるでしょう。
もくじ
リスティング広告におけるCPAとは?
まずは、リスティング広告におけるCPAとは何なのかについて説明していきます。
CPAとは顧客獲得単価を意味します。つまり、コンバージョン1件あたりにかかる広告費用を表す値になります。
リスティング広告のCPAの計算式は下記によって求める事が可能です。
CPAの計算方法
CPA = コスト ÷ コンバージョン数
例をご紹介します。
広告費が10万円でコンバージョン数が10件の場合は、下記のようになります。
例
10,000円(CPA) = 100,000 円(コスト) ÷ 10件(コンバージョン数)
以上がリスティング広告におけるCPAの計算方法になります。
リスティング広告を改善する上で、重要な数値をそのほかにもあります。
それは下記の7つの数値になります。
リスティング広告のCPAの決め方に関わる基本用語
・コスト
・クリック数
・コンバージョン数
・クリック数
・クリック率(CTR)
・クリック単価(CPC)
・コンバージョン率(CVR)
リスティング広告における最も重要な7つの数値の計算式は下記の通りです。
それぞれの計算方法
・コスト=クリック数 × 平均CPC(クリック単価)
・クリック数 = 表示回数 ×CTR(クリック率)
・コンバージョン数 = クリック数 × CVR(コンバージョン率)
・クリック数 = 表示回数 ×CTR(クリック率)
・クリック率(CTR) = 表示回数 ÷ クリック数
・クリック単価(CPC)= コスト ÷ クリック数
・コンバージョン率(CVR)= クリック数 ÷コンバージョン数
以上がリスティング広告において最も重要な7つの数値の計算式になります。
リスティング広告の目標CPAの決め方
次はリスティング広告の予算を決める上では必須である、目標CPAの決め方を解説していきます。
目標CPAが決めることができれば、適切なリスティング広告の費用を決めることができるようになります。
誤った予算を決めてしまうと、赤字になってしまう可能性もあるので気を付けましょう。
リスティング広告の目標CPAの決め方が分からないという方も多いので、具体的かつ簡単に説明していきます。
目標CPAとは
まず初めに、目標CPAとは一体なんなのか説明していきます。
目標CPAは、許容CPAと言われるもので、限界CPAから確保したい利益を引いた値になります。
目標CPAをを求めることで、リスティング広告に必要な適切な予算を計算で出すことができるようになります。
限界CPAは下記の式で求めることができます。
限界CPA計算方法
限界CPA=平均売上単価-原価
限界CPAは上記のように算出することができ、この限界CPAを超えることが無ければ赤字になることはありません。(人件費を除く)
そして、目標CPAのは下記の計算式によって決めることができます。
目標CPAの計算方法
目標CPA=限界CPA-確保したい利益
目標CPAの決め方
それでは目標CPAの決め方を例を出しながら説明していきます。
目標CPAを求めるには、売上単価から原価、人件費、確保したい利益を引きます。
しかし、このような決め方はこの目標CPAをオーバーすることなく獲得できれば必ず利益が出る一方で、許容できるCPAの許容額が小さくなってしまうという問題点があります。
リスティング広告は近年、競争が激しくなっているため、競合優位性が無く、規模を確保する事が困難になってしまうのです。
先ほどお話しした、最もシンプルな目標CPAの公式に当てはめてみましょう。
・売上単価:10,000円
・人件費、原価:5,000円
・確保する利益:3,000円
10,000-5,000-3,000=目標CPA2,000円となります。
目標CPAが2,000円ということになると、例えば想定コンバージョン率(CVR)が3%の商材を扱うとすると、許容クリック単価(CPC)は下記のようになります。
許容CPCの計算方法
許容CPC=目標CPA×想定CVR
2,000円×3%=60円となります。
しかし、他社が許容CPA10,000円で想定CVRが2%と仮定すると、他社の許容CPCは200円になります。
リスティング広告は、広告の品質スコアや入札価格によって順位が決まるため、競合に上位をとられてしまい、自分の広告が表示されないというトラブルが発生する可能性があります。
リスティング広告において、いかに許容CPAを高く設定できるかが重要ということが分かりますね。
でも、許容CPAを高く設定ってできるの??
そう思う方もいるでしょう。
答えはできます。
それはLTVと呼ばれる、ライフタイムバリューを使用して計算する方法です。
実際にLTVを使用した目標CPAの決め方を説明していきます。
LTVを考慮して目標CPAを決める
リピート性の高い商材はLTVも考慮することによって目標CPAを高く設定することが出来ます。
ライフタイムバリューを考慮した許容CPAの決め方を説明していきます。
まず、ライフタイムバリューとは、
特定の企業やブランドと取り引きを始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)内にどれだけの利益をもたらすのかを算出したもの。
出典:https://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/ltv/
簡単に言うと、顧客から生涯にわたり得られる利益のことをさします。
LTVの計算式は下記のようになります
LTVの計算方法
LTV=平均顧客単価+(平均顧客単価×リピート率)
上記の指揮に例を当てはめてみましょう
・平均顧客単価:10,000円
・平均リピート率30%
LTV13,000円=10,000円+(10,000円×30%)
このように平均顧客単価よりも高くLTVを出すことができるので、目標CPAも、より高く設定することが可能になります。
赤字の可能性も?損益分岐点からCPAを決める
LTVを考える必要があると先ほどお話ししましたが、予算を決める上でとても重要な数値であると改めて理解していきましょう。
「コンバージョン数は取れなくても目標CPA5,000円を超えずに運用できれば良い」
という顧客がいたとしましょう。
そして、商品は月間50個売れたとします。
変動費だけを考えると利益が出ているように見えますが、実は赤字になってしまっていることに気がつきましたか?
・顧客単価:20,000円
・原価:10,000円
・獲得CPA:5,000円
・コンバージョン数:50個
変動値のみ
1,000,000円(売上)- 250,000円(広告費)- 500,000円(原価)=250,000円(利益)
固定費を加味すると
1,000,000円(売上)- 250,000円(広告費)500,000円(原価)- 500,000(人件費)=-250,000円(利益)
このように、人件費などの固定費を加味すると赤字になっている場合もあります。
固定費を加味しても利益を出す場合は月間100個以上は売らないと赤字になってしまいます。
こうしたことから、リスティング広告を利用し、利益を得るためにはある程度の広告費を確保し、広告の規模を確保する必要があることを理解しましょう。
目標CPAをもとにリスティング広告予算の決める方法
最後に、リスティング広告での予算の決め方について説明していきます。
予算を設定するには下記の計算方法が有効です。
広告予算を決める方法
必要な予算の決め方は下記の公式で出します。
適切な予算の計算方法
リスティング広告の必要予算=許容CPA×目標獲得件数
許容CPAに、損益分岐点を考慮して出した、目標獲得件数をかけることで、リスティング広告に必要な予算を決めることが可能です。
利益を上げるには、許容CPAを高めていく必要があります。
もっと言うと、許容CPAを高めれば入札で優位性が出るので利益を出すことができるようになります。
そのためにもLTVを高める必要があり、LTVを高めるには顧客を確保し、継続的に購入してもらう仕組みを作ることも大切です。
予算を決める際の注意点
目標CPAを決めずにリスティング広告の予算を決めてしまった場合、問題が発生する可能性があります。
例えば、月の広告予算を10万円と先に決めてしまい、リスティング広告を配信したら、CPAが5万円でコンバージョンが2件しか獲得できなかったなんてことになります。
その場合、毎月2件コンバージョンを獲得するために手間をかけるとなると、リスティング広告の配信するかどうか、そもそもを考える必要性がでてくるのです。
まとめ:リスティング広告の予算は目標CPAから決める
リスティング広告で適切な目標CPAの決め方をご理解頂けたでしょうか?
リスティング広告の戦略は目標CPAを決めることが最初のステップと言えるでしょう。
この記事の内容を下記にまとめておきますね。
この記事のまとめ
目標CPA=限界CPA-確保したい利益
リスティング広告の予算=目標CPA×目標獲得数
LTV=平均顧客単価+(平均顧客単価×リピート率)
しっかり、リスティング広告の正しい目標CPAの決め方を実践して、適切な予算を算出しましょう。